岩!岩!岩!  高所恐怖症マヒしてた!?    

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奥穂高岳 (北アルプス)
標高 剱岳    2,999m
標高差 約600m
(参考、室堂 2,400m)
所要時間 一日目    3時間40分 (休憩 約25分込み)
二日目    8時間14分 (休憩 約50分込み)
行程 9月8日(火)   6時30分扇沢発(立山黒部アルペンルート)9時20分室堂着

  室堂9:45→10:16雷鳥沢キャンプ場10:32発12:05剱御前小舎12:15発13:25剣山荘  

9月9日(水)  剣山荘 4:21発→5:00服剱5:21→5:53前剱6:00→6:40タテバイ→7:12 剱岳
           7:30発→8:25前剱8:30→9:07一服剱→9:21剣山荘9:40→10:05 剱沢小屋
           →10:50剱御前小舎10:58→11:46雷鳥沢キャンプ場 11:55→ 12:35 室堂

  14:00 室堂(立山黒部アルペンルート) 15:30

アプローチ 長野市(仕事先)19時頃出発--22時頃扇沢(仮眠) 
まえがき 中高年登山ブームに乗っかり、また、映画化の話もあり、2年くらい前からチャンスをうかがっていた。
危険だが一応は一般登山道(地図で実線)。・・・・・行くっきゃない・・・・!

チャンスは何度かあったが、岩場、高所に対してはずっと自信がなく、今回仕事で長野市に行くことになり天気も良さそうな為覚悟を決めて決行!

一泊二日の日程のため、二日目は登山道の渋滞にはまらないよう早めに行動しなければならない。
当初、初テント泊しようかと思ったけど、荷物すべてザックに入らず断念。・・・というか、バイクツーリング等の一人用テントのため重い上に、高山の気象条件に耐えられるか不安もあり、またいつかの機会に・・・・・
日程 2009年 9月8日(火) 〜9日(水)
メンバー 単独
天気 8日 晴れのちくもり 夕方霧雨 夜雨
9日 晴れ
剱沢から見た剱岳
扇沢
天気は期待できそう。
もっと早い時間から行動したかったが、9月平日は6時30分始発。
黒部アルペンルートをトロリー・ケーブルカー・ロープウェイ・トロリーを乗り継いで室堂まで上がる。
往復8800円!!高い!?

登山客がほとんどだがガラガラ状態。
黒部ダム
観光用放水!!
乗り継ぎのためダムの上を通って行く。

黒部ダムから黒部平までのケーブルカー

黒部平から立山方向

ロープウェイの降り場が見える。

黒部湖

 

9:20 室堂着

後ろは立山(雄山)


室堂までロープウェイ以外はトンネルの中を運行のため何も見えない。

みくりが池

地獄谷
ものすごく硫黄臭い!

室堂からずっと降ってくる。
帰りはつらいかも。

一旦雷鳥平キャンプ場へ降って別山乗越へ登る

別山乗越(剱御前小屋)までの登り

歩きやすいが長くキツイ!!

室堂からずっと日陰がない。

別山乗越(剱御前小屋前)から見えるはず
剱岳????

頂上のほうはガスっててこの日はずっと見えなかった。

朝は快晴だったらしい。

12:05 別山乗越着
登ってきた雷鳥平から室堂。
決行ハードできつかった!


室堂周辺はどんどんガスがかかってきた

剱岳岩だらけ、どこ登っていくのか??
剣山荘(左方向)までの降り。
今日はこの山小屋までの行程。

別山乗越まで携帯は問題なく使えたが峠を越した途端ほとんど通じなくなってしまった。

剱沢方向
剱沢小屋キャンプ場

当初テント泊で来る予定だった場所。

剣山荘まであと少し。
ガスが降りてきた。

13:25 剣山荘着
まず缶ビール!!
1泊2食9000円。朝食は早立ちの予定なので弁当を注文。
改築したてのきれいな山小屋。
シャワーもあり、トイレも水洗で清潔。
布団もキレイだった。
お客は少なく60人位かな。食事も入れ替えなく一度で間に合う。

夕食までノンビリ。別山乗越から一緒だった方や剱岳登ってきた方の話しを聞いて過ごす。

「剱」部屋
こちらの上の段は自分ひとりだった。荷物広げ放題。

夕食までノンビリ。別山乗越から一緒だった方や剱岳登ってきた方の話しを聞いて過ごす。
シャワーは食事前まで使え、石鹸は当然使えないが、お湯もしっかり出て清潔で最高に快適
当然また缶ビール!!

食事はおいしく、食欲があまりなかったにもかかわらずご飯とみそ汁をおかわりしてしまう。

降ってきた別山・剱沢小屋方向。
明日は、剱沢小屋経由で別山乗越まで登る予定。

剱岳登った後でこの登り返しの体力が残ってるだろうか?不安!!

黒ユリのコル
山小屋から5分登る。
剱岳を裏から撮影するも、頂上はずっとガス。

ドコモがギリギリ繋がる。
剣山荘は携帯が繋がらなく、公衆電話もなく、衛星電話を使用している。

[一日目]


山小屋に着いてから段々天気が悪くなってきた。ずっと霧雨が降って外の景色は何も見えない。
明日もこの状態ならどうしようか悩んでしまう。
20時頃からは本格的な雨が降ってきた。
天気予報では雨は降らないとのことだが、明日雨ならそのまま帰ろう。

ここまで来るのに、ほぼ標準タイムで着いたが、思ったよりキツイと思った。
明日、はたして剱岳往復して、また別山乗越まで登り返し、さらに雷鳥平から室堂まで登る体力が残ってるか・・・?
なれない剱岳の岩場を標準タイムで戻ってこれるか?
今日登ってきた方の話では、岩に慣れてる方なら問題なさそうだが、ミーハー中高年登山者ではたして時間通りに帰ってこれる?
ここまで時間通りに帰ってこれないと室堂の最終(16時頃)に間に合わない。

朝4時頃に出発すれば何とかなりそうだが、まだ真っ暗だろうし、ヘッドライト点けて岩場なんて登れるのか?
人が多いほうが岩場で前の人を参考にできるようだが、朝早いと人も少なそうで足場がわからないんじゃないかな。

とにかく、一歩間違えたらお陀仏!!

せっかくここまで来たからには、挑戦したい気持ちはかなりあるけど、こんなに悩むのは、止めろということか!!
この不安、プラス、ビールが原因と思われる動悸が気になり、消灯(9時)になっても眠れず、夜中何度も起きる。
夜中は、外は雨は降ってなかったが、まわりはガスで真っ暗!  星も見えない。

とりあえず、朝3時40分に携帯のタイマーをバイブにしてセットしておく。

朝、コンビニ袋の音で周りに迷惑をかけないために今日中に荷物を整理しておく。
最低限必要な、水500ml、ポカリ1000ml、昨夜受け取った弁当、行動食、雨具程度をザックに残し、着替えなどの残りはビニールバッグに詰めて部屋の外にある荷物置き場に置いておく。ストックも邪魔になるようなので置いていく。

[二日目]


15:30 扇沢駅。生きて戻ってきました。
途中、乗り継ぎの黒部湖でダムの写真をたっぷり撮ってこようと思ったが、
一本遅らせると、次のトロリーまで時間がかなり開いてしまい観光客でごった返しそうなので、
もったいなかったけど、接続してる便で帰ってきた。

車で着替え、渋滞もなく8時過ぎには横浜に戻ってきた。



3時半頃から行動開始する人の気配で、アラームセット時間前に目が覚めた。
動悸は治まってた・・・・・・・ということはただ単にビールの飲みすぎ?
山では酔いやすいのでビールは1本だけにしてたが、今回、時間もたっぷりあったので3本飲んでしまったのがいけない?
寝不足でまだ全然眠りたいし、真っ暗な中歩くのも嫌なので明るくなる5時頃までもう一度寝て様子見ようか?

グダグダしながら寝床のそばの窓から外を見ると、まだ周りは真っ暗だが、星がしっかり見える。天気は良さそうだ!!
周りの方も行動始めたので、気になり寝てられない。
なにしろ単独なのだ、早出、早着!!

まだ4時前、ロビーに降りてみると、2〜3人の方(みなさん単独)がヘッドランプ着けて、もう出発するようだ。
外はまだ真っ暗だが、剱沢小屋方面からヘッドランプの光が2つユラユラ近づいてくるのが見える。

うろうろしながら小屋の裏に出て登山道のほうを見てみると、
剱岳のシルエット(一服剱?)が見え、ヘッドランプが2つ登っていくのが見える。
まだまだ明るくなりそうもない。

今日、登山道は混みはしないだろうが、
ここに泊ってる方は年配の方が多く、ノンビリもう一泊する方のほうが多そうだから、出発は朝食後だろう。

ヘッドランプ歩行は初めてだから、今、他の方が出たときにできるだけついていこうと思い、とりあえず準備する。

明るくなるのを待とうと思ったが、ヘッドランプを点けて外に出てみると、なんか行けそうじゃん!!!
前の登山者はもう山の向こう側に行ってしまいどこにも見えない。すぐ後に出発する人もいなそうだが、
とにかく、4時21分、歩きだす。

足元はヘッドランプがなくては無理だが、月明かりで結構見えるものだ。
時々振り返って後ろを見るが、まだ誰も来そうもない。

15分位登ると、鎖がある簡単な岩場に出たがなにも問題なく、遠くの山が段々明るくなってくるが、
まだまだ足元をランプで照らしながら、あわてずゆっくり、時々手を使いながら登っていく。       
 (誰か早く追いついてこーい!!!)

5:00 一服剱
それほど難しくない岩場をゆっくり気をつけながら登ってきた。

この先急な岩場が始まるので誰か後続者が来ないか待ちながら休憩。
誰も来そうもない。みんな何やってんだ!!!

一服剱から見た前剱・・だと思う

天気良くて快適だが、ずっと緊張が続く。

この後岩場無理そうなら前剱で引き返してもいいや

昨日歩いてきた別山乗越と剱沢

一服剱を過ぎたあたりでヘッドランプをしまう。

前剱への登りの途中から一服剱方向
登ってくる人が見える。
ガレ場で落石注意!!
大緊張!!!
前剱からの戻りの降りで事故が多発してるらしい。
ココ??

前剱への最後の登り

ずっとこんな感じだけど、
危なそうなところにはステップの杭や鎖が設置されてて問題ないが、鎖には思いっきりぶらさがってる。
単独の若者があっという間に抜かしていった。早い!早い!

朝日!

ご来光はいつだったの!?

緊張で気がつかなかった。

5:58 前剱到着!!
今のところコースタイムより少し遅い。
やっと剱岳が目の前に・・!
でもまだまだ岩場のアップダウン!

垂直に見えるけど、どこ登れってんだろ!
落ちたらOUT!!

前剱からすぐに登り降り別のルートがある。
ステンレス製の一本橋。
両側はスッパリ切れ落ちていて足が震える!
その先は鎖のトラバースだが、垂直の絶壁!!
足場は問題ないが、鎖にしがみつく。
「岩場楽しむ!」ために下を見たはずだが・・・記憶が・・・・・・

今まで登ってきたルート。
帰れるか心配。


さっき抜かされた若者が、頂上から戻ってきて、すれ違い降りて行った。頂上には3人いるらしい。
獣のように両手両足を使い岩場を軽やかに降りて行った。

いよいよカニのタテバイ。
垂直だー!!
他に登ってる人いないがどうすりゃいいんだ!?

手前に小屋跡があり、トイレがあったはず。

6:40 カニのタテバイ
これ垂直。
鎖と足場用に杭があり、両手で鎖に全体重をかけてぶら下がって登って行った。
落ちたら大変だけど、高度感がマヒしてたのか何とかクリアー!
鎖なかったら僕は絶対登れない!!

タテバイの途中から下。
落ちたらずっと下までかな?

後続の方が来てた。

7:12 剱岳頂上!!
やったー!! 

タテバイから山頂の祠が見えるが、最後のガレ場の登り(15分位)がなんか疲れた。
途中早月尾根からの分岐点を過ぎあと少し。

360度!!
雲海はあるが素晴らしい景色!
登ってよかったー!!!
山頂は槍ヶ岳より広く20人位問題なく休める。

誰もいない。途中で降りルートで帰ったのか、すれ違わなかった。

別山、剱沢方向。

よくここまで登ってきたものだ。
降りも心配だが、もうそれほどでも・・・・

5分位したら、ご夫婦が登ってきた。
剱沢キャンプ場4時に出発してきて、立山(雄山)経由で今日中に扇沢経由で帰るらしい。超ハード!!
奥様は何も身につけず、ご主人だけザックをもって、10分位休憩しただけで降りて行ってしまった。
ご主人はベテランらしく、周りに見える山かなり把握していた。

山頂で20分位休憩後、
もったいなかったが、ノンビリ降り始める。

早月尾根。登山口の馬場島は雲の中見えないが、この高度を日帰りする方がいるらしい!!

5分位でカニのヨコバイ。
剱岳一番の難所らしい!

カニのタテバイとりつき。
始めに縦に降って右にトラバースする。
とにかく、最初は、全体重を鎖に預け後ろ向きで降りる。
トラバースに移るところがオーバーハングしてて足場が見えないので怖い思いをするらしい。
ということでビビりながら覗いてみるが、やはりどれが足場かわからない。
ネットでは、前の人に教えてもらいながら降りてるらしいが・・・  どうしよう? 後続の方待とうか?

しかし、ずっと岩場を歩いてきて慣れたからか?、または、高所恐怖症マヒしてるのか?
垂直な壁面で、腹這いで両手で鎖にぶら下がって両足を左右上下にズルズル動かしながら、しかも靴底の頼りないフリクションを使って、なんとか適当に、足場を探してトラバースに移動できた。

タテバイの壁

ヨコバイのトラバース。
トラバースは絶壁だが足場がしっかり切ってあるので鎖もあるので問題ない。恐怖感は別!!!
ここにいきなり登山者が現れて驚いた!すれ違えるところがあって良かった。
ヨコバイを登ってきたらしい。一応、降り専用ですよって教えてあげたら知らなかったらしい。別に混んでないから構わないんだろうが、すれ違い怖いだろうな!

ヨコバイ終わりの垂直な梯子。
高度感があるので恐怖で四つん這いになって乗り移る。

なんだかんだ1時間で 8:25前剱着

ここまで危ないところには鎖・ステップがあるので手掛かり足がかりには問題なかったが、この先一服剱までの降りは、急なガレ場で、落石、滑落事故が多発してるところである。
体力は別にして、帰りの時間は問題ないので、気を引き締めてゆっくり降りる。

降りてきたルート。

急だなァ!!

9:07一服剱

剣山荘まであとわずか。

9:21 剣山荘


9:21 剣山荘着
剱岳往復約5時間。標準コースタイム4時間30分と休憩でピッタリ位だった。
急いで焦ったり、無理したりしないでこのタイムなら満足!

あまり暑くなかったためか、水分は約1g、途中の食事はパンなどの行動食中心。
ストックはまったく必要ないと思う。(邪魔なだけ)

岩だらけだが、少しでも危なそうなところには鎖、杭がたくさんセットしてあるので思ったより楽しかった!!
しかし一手一歩外したら終わりなので、慎重さが大事! あせったら危ない!
高度感については、怖くても無理やり景色を見て楽しんでたつもりだが、ただ怖かっただけで、詳細な記憶が少ない。
無意識に足元手元しか見てなかったのかもしれない。

写真をたくさん撮ったつもりが、肝心なところが取れてなかった気がする。余裕もなかったけど・・・・・
怖いけど面白かった! 大満足!!
真夏にもう一度登りたい!!!!

山荘に入ると、スタッフのおねーさんが掃除しながら、「早いですね、一番ですよ」って言ってくれたが、
先に降りてった方5人位の方はここに寄らなかったようである。

顔洗って、トイレ借りて、デポしてある荷物をザックに詰めなおし、外のテラスで軽く食事して、
9:40出発。


さて、またこれから別山乗越まで約1時間30分の登り・・・・・
帰りは時間がたっぷりあるので、剱沢小屋経由でノンビリと。
雑誌で見る剱岳の写真は、剱沢キャンプ場の上あたりからが多いので・・・


10:05 剱沢小屋

剱沢キャンプ場から剱岳。

どこ登ってきたんだろうか?

次回は、ここでテント泊してみたい。
今日は10張り程度しかなかった。

疲れてます!

昨日は乗越から直接剣山荘へ降るルートだったが、大きな岩が多く歩きにくく疲れた。
次回はこちらから往復しよう。

別山乗越までの登り。

前を行くのは、先ほど山頂で会ったご夫婦。テント担いでこれから立山経由で室堂(16:30)!!間に合う?

そういえば、このご夫婦、前日アルペンルートでずっとご一緒だった方たちでした。

10:50 別山乗越(剱御前小屋)

雷鳥平、室堂あたりは今日はガスってない。

雷鳥平までの降り。
ザレてるが、急ではないので楽!

しかし、室堂までの登り返しが辛そう!

地獄谷から室堂への登り。

一般観光客も結構いる。
この階段が長く辛い!!
途中にベンチがあり、堪らず一休み。

12:35 室堂着
思ったより早く着いた!!
天気は快晴ではないが、雲もなく観光日和。


観光客が多いので早めに扇沢まで降りることにした。
14:00発トロリーに乗車。





・・・・・・・・・今回の剱岳について・・・・・・・・・

天気にも恵まれ、素晴らしい山歩きだった。大満足の達成感!
気合い入れて山頂まで登って良かったと思う。

真夏にテント泊でもう一度行きたい!!!。

今度の目標の岩場は大キレット・・・・かな!!
北穂高小屋にも泊ってみたい。
西穂〜奥穂は恐ろしくて考えられないが、大キレットをクリアしたら、あとは、ノンビリ縦走